♪ レッツゴー 突き抜けようぜ ♪
1/60スケール完全変形・VF-19改=ファイヤーバルキリー。
「マクロス7」に登場した、主人公・熱気バサラの愛機で、「宇宙に歌を響かせるために」機能特化したバルキリーです。本来の名称は「エクスカリバー・熱気バサラスペシャル」。
当時の玩具で、変形自体を優先したものや、最近でも差し替えによる変形で見栄えを優先したものなどはありましたが・・・。
このアイテムは、変形に際しての差し替え部品は、首の後ろと腿の裏のカバーだけ、それもなくても別に気になりません。にもかかわらず、どうですかこのプロポーション!
他のバルキリーシリーズと比べても、かなりパワフルなフォルムをキッチリ再現、もう純粋に「カッコ良い」、熱気さんの愛機が帰ってきたのデスよ!
ファイター形態は実に流麗、前進翼のバランスも良く、戦場を切り裂く一刀の軌跡!というイメージにピッタリ。
コクピットにはギター型コントローラーを持った熱気さんが座っていて、ハッチはちゃんと開閉します。
キャノピーカバーはいったん少し上に伸びてから開く、システマチックな機構になっています。これにも理由があるのですが、また後で。
下から見たところ。スタンドは付属しませんが、別売のバルキリー用スタンドに取り付けられるアダプタが付属します。
ファイヤーバルキリーは、シリーズ中最も変形前後のバランス調整が難しいのではないかと思われるデザインですが、ここまで綺麗に戦闘機になっているのには脱帽です。
それには、いくつかの工夫と新たな試みが導入されているようで・・・。
例えば碗部は、機体後部に収納するためになるべく細くしないといけませんが、バトロイド時にあまり腕が細いと貧相です。
そのため、ファイターからガウォーク、バトロイドになる際には、肩カバー内から上腕カバーパーツを降ろしてきて、腕が太く見えるよう、フォルムの調整をしています。また同様に、肘から先を引き込む軸が斜めになっていることで、ファイター時にはなるべく腕をくっつけ、バトロイドでは下碗部が外側に膨らんで、腕のラインに迫力が出るよう考慮されています。
ガウォーク形態。
腿には、前後に動く関節以外に、左右に回転かつスライドする軸が設けられています。これによって、脚を大きくハの字に広げることも可能です。
そして、複雑極まる機首の変形。
複数のヒンジで多段階に曲がり、コクピットをバトロイドの胴体内部に持っていく、これ自体は放映当初の玩具からあった設計なのですが。
今回はさらに、バトロイド時に操縦席が正面を向く、つまりシートだけがコクピットの中で90度回転するギミックがあります。このクリアランスを確保するために、キャノピーカバーが上(バトロイドだと「後ろ」)に、少し移動する必要があったのですね。変形後は、コクピットは外からは見えなくなるので、意味があるかと聞かれると、返す言葉に困りますが。
でもさ、これができるかできないかじゃ、全然気分が違いますよね。まさに「こだわり」というか「愛」の部分です。
そしてバトロイド形態。
頭部のトサカ(?)は、クランクによって、バトロイドとファイターでは、異なる位置に付くようになっています。また頭部自体も、既存のアイテムよりはかなり大きめに作られ、アニメ的な格好良さの追求に成功しています。
この頭を機体にちゃんと収納するために、ファイターの上面装甲には展開ギミックが追加され、差し替えなしでの頭部の出し入れを可能にしています。
肩のスピーカーユニットは、装甲を引き上げることで展開し、バサラの歌声を宇宙空間に届けます。ちゃんとウーハーとかツイーターとか(?)見えるのが芸コマ。まぁ、宇宙でいったい何を振動させているのか・・・ってなことを言いだしたら、マクロス7の全てを否定しているも同然なので、もうやめときます。
脚部マイクロミサイルユニットは、展開した後ミサイル基部を引き出し、また閉めることで、発射直前状態を再現できます。バサラがぶれることなく歌だけ歌っていれば、使うことはなかった機能なのですが。ガムリンに諫められる、あの話は良かったなぁ。
もちろん頭部の顔パーツを交換して、フェイスクローズ状態も再現できます。こっちの方が、本来のバルキリーのデザインラインとしては、より基本に近いはずなのですが・・・。
いつの間にか「目と鼻と口のある」ファイヤーバルキリーに慣れてしまい、むしろフェイスクローズに違和感を感じるようになってしまったものです。
僅かな差し替え部品はありますが、これだけカッコ良いバランスの「完全変形する」ファイヤーバルキリーは、歴代玩具の中でも頂点!と言っていいんではないでしょうか。
ここまで凄く、至れり尽くせりの設計に触れると、むしろ
「なんで、ここまでやってくれながら、サウンドブースターが付属しないんだ!」
などと、筋違いな要望を言いたくなってしまうほどです。
とにかく、ファイヤーバルキリー、いやバルキリーシリーズの玩具としても、現時点で最高峰の一つであることは間違いありません(断言)。
バサラは、今も銀河のどこかで歌っているのでしょうね。
たった1曲のロックンロールが、明日へ響いていくことを信じて。
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