正義と悪との青と赤
ジロー=チェィンジ!キカイダー!
REAL ACTION HEROES DX、人造人間キカイダー。
メディコム・トイの1/6可動フィギュアです。
キカイダーは、以前も同社からこのサイズの可動フィギュアが発売されていました。
しかし今回のものは、DXと銘打つだけあって、造形・質感ともに当時のものを大きく上回る、素晴らしい出来映えです。特に、透明な頭部のディテールは抜群。
キカイダーは、発表当時から、その特異で強烈なデザインが話題となりました。
左右で全く異なる奇怪なマスク。
身体の半身を真っ二つに割る彩色。
それなのに、ヒーローとしての姿は悲しいほど格好いい、。
不完全な良心回路に悩み、心も体も正義と悪に引き裂かれるその葛藤を、キャラクターの外見だけでこれほど見事に表現するとは、やっぱり石ノ森先生は天才です。
こんなこともあろうかと準備しておいた、TAX-WISE製の1/6サイドマシーンに乗せてみました。
圧倒的な迫力、当時の感動が蘇ります。まさに感無量。
キカイダーのサイドカーは、孤高のヒーロー・仮面ライダーのバイクに対し、「守らねばならない誰かの存在」を明確にしているのかも知れません。
キカイダーという名前を初めて聞いた時、
「ロボット(機械)だからキカイダー」
という、思いっきりストレートなネーミングにひっくり返ったものでした。
しかし、私たちの心に強烈な印象を与えることが出来たのは事実です。
企画当初にあったという名前「ゼロダイバー」も格好良かったですが、これほどのインパクトを残せたかどうかは分かりません。
そしてもちろん、番組が始まると、私のハートは鷲掴み。
その独特のデザインはもちろんですが、何と言っても、純粋な主人公、ロボットであるジローのシチュエーションに参ってしまったのです。
人間とロボットという轍を超え、明らかに惹かれ合っているミツコとジロー。
しかしジローは、壊れた自分をミツコに修理して貰うことを嫌がります。
自分の身体の機械を見られることがいやだから。
また、「良心回路を完全なものにしてあげる」というミツコの申し出を、ジローは断ります。
自分の心が不完全なことは知っているが、それに自分で打ち勝つことで、自分の存在意義を見いだしたいからです。
なんて真っ直ぐな、痛々しいほど純粋な「心」なのでしょう。
この、人にあらざるものの懸命な「生き方」が、放映から30年以上を経た今でも、私の胸を熱くさせるのです。
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コメント
> ええ、その後どうしてもサイドマシーンがほしくなり、ネットで探して買ってしまいました。
おめでとうございます。
つーか物欲に拍車をかけてしまっていたら、すいません(^^;)。
> 当時のスチールと比べると、ディテールの違いが気になる箇所もありますが、飾るとインパクトが違いますね、やはり。場所も取りますが・・・。
やっぱり迫力は抜群ですね。
全長も他の1/6バイクに比べて長い上に、幅に至っては、バイク3台分ですから・・・。
ゼロワンのダブルマシーンも好きなんですが、いつか発売してくれませんかね。
もうちょっと安価で(笑)。
投稿: 腰原仁志 | 2006/08/21 21:16
ええ、その後どうしてもサイドマシーンがほしくなり、ネットで探して買ってしまいました。へそくり使って、ちょっと高かったけど。あれはなかなか入手困難なようですね。
当時のスチールと比べると、ディテールの違いが気になる箇所もありますが、飾るとインパクトが違いますね、やはり。場所も取りますが・・・。
投稿: 光明寺雅人 | 2006/08/20 22:04
>近所のトイザらスで見かけたのですが、悩んでいるうちに、ついまだ残っていた『THE FIRST』の一号を買ってしまいました。
どっちにせよおめでとうございます。
いずれ劣らぬ格好良さですので、心に「買って買って」コールがより響いた方が、現時点での適任者なのだと思います。
それが君の響き。
> メディコムトイも、チケットでの限定販売にフィギュアを選ぶくらいなら専用バイクにしてもバチはあたらないと思うんですけどね……。
全く同感です。しかし何でも、バイクはメーカー間の版権の問題が非常に厳しくて、日本だと立体化が難しいと聞きましたが・・・海外なら良いとかいう問題なのか?
> 『僕はキカイだ。キカイなんだ!』
> 『キ、キカイ? キカイダー?』
> まあなんでそれがそのまま通るのかという疑問はさておいて。
普通に聞いたら「奴の名は『キカイナンダー』なんだー」って思わないのかなぁ(笑)。
> ギターのジロー・トランペットのイチローと共に、音撃ヒーロー勢ぞろい!(←東映まんがまつり世代ならではの妄想)
ハープ持ってた奴もいましたしね。
> 両手に棒(バチ)を持たせれば
まさに「バチ当たり」
・・・座布団取れ。
投稿: 腰原仁志 | 2006/08/18 22:27
>バイクのないライダーなんて……。
「実は、FIRSTとは『鬼』なんだ」と思いこめば、バイクの有無など無問題です(前向きな現実逃避)。
両手に棒(バチ)を持たせれば、ギターのジロー・トランペットのイチローと共に、音撃ヒーロー勢ぞろい!(←東映まんがまつり世代ならではの妄想)
>『僕はキカイだ。キカイなんだ!』
>『キ、キカイ? キカイダー?』
>
> まあなんでそれがそのまま通るのかという疑問はさておいて。ダークの連中は単純だなぁ。
まあ、もともとダークロボットは、光明寺博士が、正義のために生み出した(…正確には、実子・光明寺一郎のように、 悪徳企業と汚職政治家によって暗殺されたりしないように、「決して死なない息子」として生み出した)、ジローの兄弟たちです。
ならば、その電子頭脳は、良心回路が無いこと以外、ジローと共通のはず。
だから、ネーミングのセンスも完全に共通してるんですよ、きっと。
投稿: ヨモスエ | 2006/08/18 05:31
近所のトイザらスで見かけたのですが、悩んでいるうちに、ついまだ残っていた『THE FIRST』の一号を買ってしまいました。まあこっち買うのも迷ったんですけど。バイクのないライダーなんて……。
海外製のダイキャストバイクなんて、田舎じゃまともに買うこともできません。メディコムトイも、チケットでの限定販売にフィギュアを選ぶくらいなら専用バイクにしてもバチはあたらないと思うんですけどね……。
キカイダーのネーミングは当時あまり気にしませんでしたね。最初からこういう音が好きだったのもあるけど(カイキオーとか)、漫画での命名の演出が上手くてなるほどと思ったのもあるかも。
『僕はキカイだ。キカイなんだ!』
『キ、キカイ? キカイダー?』
まあなんでそれがそのまま通るのかという疑問はさておいて。ダークの連中は単純だなぁ。
投稿: やずみ | 2006/08/17 23:49
> 保存方法とかも含め、スゴく参考になりました。
この板を見ていると、およそこの手のアイテムを保管できる場所を確保するくらいなら、家が数軒建てられそうな気がします(^^;)。
でも、色落ちや色移り、スーツの劣化は悲しくなりますからね。こんなことなら、もっと遊んでやれば良かった、と・・・。
投稿: 腰原仁志 | 2006/08/17 21:40
ありがとうございます。
>危険度5:最凶最悪
>キカイダーとキカイダー01は諦める。
ですかぁ。でも納得ですね。この板はチェキしてなかったので
保存方法とかも含め、スゴく参考になりました。
しかし、フィギュア道の奥深さを感じました。
投稿: ひぐち | 2006/08/16 19:15
> 顔がテレビの顔のイメージを良くとらえてますね。
ホントによく似ていますね。まさにイメージ通りです。
> 思い出して、昔買った、キカイダー01を出してみたんですが、びっくりなことに赤青のスーツがあちこち破けて白地が見えてました。
うちのズバットも、同じような状態でした(泣)。
http://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/toy/1155224961/
こことか読むと、どうも劣化はある程度避けられないもののようです。最近のはかなり良くなって(?)いるようですが・・・。
> このところRAHはチェックしてなかったんですが、歴史長いし、バリエーションも増えたので、解説本みたいなのが欲しいなと思う今日この頃です。
10年くらい前にあったような気がしたのですが、それからかなり増えてますし、そろそろ最新版が見たいですね。
投稿: 腰原仁志 | 2006/08/16 03:25
顔がテレビの顔のイメージを良くとらえてますね。
思い出して、昔買った、キカイダー01を出してみたんですが、びっくりなことに
赤青のスーツがあちこち破けて白地が見えてました。
な、なぜ。。。なんか良い修理方法ないですかねぇ。
ま、諦めるしかないかなと。
このところRAHはチェックしてなかったんですが、
歴史長いし、バリエーションも増えたので、解説本みたいなのが欲しいなと思う今日この頃です。
投稿: ひぐち | 2006/08/14 19:24
> 個人的に、キカイダーは、ライダー以上にインパクトのあるヒーローでした。
私も実は、もっとも好きなヒーローというのはキカイダーなんです。ライダーやウルトラマンよりも影響を受けました。
何と言っても、ギター買って最初に練習した曲が「ジローの登場のテーマ」ですから(笑)。
> サイドマシーンとのマッチング、最高っす!!
色合いも、キカイダーを乗せることにより「赤、青、黄」の三原色がド派手に映えてかっちょいいです。
> 次はいよいよ、
> 「出て来い、出て来い、ハカイダー!!」
これも楽しみですね。
あの脳みそを、どのように表現してくれるのか・・・。
投稿: 腰原仁志 | 2006/07/29 21:31
個人的に、キカイダーは、ライダー以上にインパクトのあるヒーローでした。メディコムの新作は、旧作のクオリティを数段上回る驚異の仕上がりで、後続のハカイダー、ジローの出来
が今から期待されます。サイドマシーンとのマッチング、最高っす!!
次はいよいよ、
「出て来い、出て来い、ハカイダー!!」
投稿: 光明寺雅人 | 2006/07/28 23:29
> キカイダーはそのラストまで含めて素晴しい作品でした。
衝撃のラストは、涙なくしては見られません。
未読の方のためにオチは伏せますが、服従回路=イエッサーの素晴らしいネーミングといい、それによってもたらされた、あまりに酷な現実といい。
正義と悪、幸福と不幸の裏表を体現したジローの悲しみは、「人間」だからこそ感じられることなのでしょう。
> アニメ版だったか原作版だったかは不確かなのですが、ピノキオの話とオーバーラップする演出なんかは、本当に酷いです。
原作も、数年前のアニメも、確かそれがあったはずです。
良心回路のコードネームが、ジェミニィ・・・ピノキオのお目付役のコオロギの名前であるとともに、おなじみの双子座の名前・・・なのは、正義と悪、両方の心をもつものにとって、なんとふさわしいことでしょう。
> “なにが良心回路だ。
> てめえら人間は、そんなもん(良心)なんて持っていねえくせに!”
凄い(素晴らしい)セリフですよね。
やっぱり石ノ森先生は天才だ・・・。
> 幸運なのは、石ノ森先生が絶好調の時期に、後日談(VSイナズマン)が描かれたことでしょうか。
しかもちゃんとジローの「救い」の話になっていたのは、嬉しい限りでしたね。
> 一方、デビルマンの「後日談」は、あの…
えーっと・・・。
あれはもう・・・。何というのか(^^;)。
まさか出てくるとは思っていなかった、というのが本音です。
投稿: 腰原仁志 | 2006/07/27 21:51
原作萬画版のキカイダーは、一種、原作版デビルマンに通じるものがありますよね。
人間こそ悪魔だ、という…。
初期型の良心回路を取り付けられたゴールデンバットが、
“良心なんてものを持たされたために、どれほど苦しんだことか!”(セリフはうろ覚えです)と嘆いた後、
“なにが良心回路だ。
てめえら人間は、そんなもん(良心)なんて持っていねえくせに!”
と叫んだのが、今も忘れられません………というか、今や、ますます実感する日々であります(むせび泣き)。
幸運なのは、石ノ森先生が絶好調の時期に、後日談(VSイナズマン)が描かれたことでしょうか。
一方、デビルマンの「後日談」は、あの…(いや、あれはあれで、想像を絶し過ぎてて、凄いのですが(^^) )
投稿: ヨモスエ | 2006/07/27 14:35
キカイダーはそのラストまで含めて素晴しい作品でした。
ロボットにして、人間になったジロー。
ほんと、芸術作品です。
実は作画をしていたのが石森先生のアシスタントのみなさまでも、その素晴らしさには変わりありませんネ(おい)
アニメ版だったか原作版だったかは不確かなのですが、ピノキオの話とオーバーラップする演出なんかは、本当に酷いです。涙無くしては見られませんわ。
投稿: 妄想殿下 | 2006/07/26 21:42