胸に燃えてる日輪は
出張に行った先で、とあるリサイクルショップに寄ったところ、写真のアイテムを見つけました。
おそらく30年ほど前のものだと思われますが、合金製の全身はうすら汚れており、パーツも一部(いや、かなり)欠品です。
お値段も、値段と言えるのかどうかというような、凄い安い正札が付いていました。
具体的に言えば、朝マック2回分くらいです(笑)。
私が「これ下さい」と言うと、店のおばちゃんが言いました。
「ほんとに良いのかい?」
何せ、普通の人が見たらガラクタにしか思えませんからね。
しかし私にしてみれば、こんなところでこんなものに巡り会えるなんて・・・と言う気持ちで一杯でした。
これはジンクロン合金、UFO戦士・ダイアポロン。
アポロン・ヘッダー、トラングー、レッガーの3体が「合身」して、巨大ロボット(全長120m!)の、UFO戦士・ダイアポロンになります。
3体の人型ロボットが合体して巨大ロボとなるのは、このダイアポロンが史上初。
実は記念碑たる作品なのですが、その割にはマイナーですね(笑)。
その合体システムは、いろんな意味で驚愕すべきものでした。
なんせ、ヘッダー、トラングー、レッガーの3体は、それぞれ
「不要部分、収納!」
というかけ声で、ヘッダーは胸と頭部、トラングーはお腹と腕、レッガーは腰と脚以外の全てを、それぞれのボディに収納してしまうのです。
「不要部分」って、まさに身も蓋もない言い方ですね。
不要なら最初から作るなよ、というのは、当時誰もが心の中で呟いたフレーズでした。
玩具でもその仕様は変わらず、3体がちゃんと合体します。
とはいえ不要部分収納なんかできるはずもないので、単なる組み替え合体、不要部分はそのまま残りますのですが。
(アポロン)ヘッダー!
(アポロン)トラングー!
(アポロン)レッガー!
合身~ 合身~ ♪
UFO戦士 ダ~~イア~~ポ~~ロ~ン ♪
合体しても、何だか変わり映えがしな(以下略)。
まぁ昔のものですしね。
さて、このダイアポロンでは、玩具オリジナルギミックとして、合体に使用しない不要部分でさらに違うロボットを作ることが出来ます。
いったい、どんなものになるのでしょうか!
不要部分もやっぱり、何だか変わり映えがしな(以下略)。
いやでも、当時を懐かしむという意味では、非常に楽しませてもらいましたよ。
UFO戦士ダイアポロンは、玩具だけでなく、番組も(いろんな意味で)驚愕するものでした。
普通に最終回を迎えたので、
「さぁ、次はどんな新番組が始まるのかな」
と思って楽しみに見ていたら。
「UFO戦士ダイアポロンⅡ・アクションシリーズ」という、敵などがちょっとばかり変わっただけの全く同じストーリーが始まったのです。
あれは子供心にも、何だかなぁという気持ちになりましたねぇ。
他にも驚愕すべき点は山積みです。
ダイアポロンの操縦方法は、前代未聞空前絶後、後にも先にもそれしか存在しない(多分)凄い方法でした。
主人公・タケシはアポロン星の王子ですが、ダイアポロンの内部に飛び込むと、なんとその内部で120mに巨大化し、ダイアポロン自体を「着てしまう」のです。
つまり、ダイアポロンはロボットと言うよりは、タケシのための鎧に近いのですね。
これこそが「合身」と呼ばれる所以です。
まさに人機一体、これよりシンクロした操縦方法というのはあり得ないでしょう。
ここまで来ると、もう
何で3体合体する必要があったのか とか、不要部分、いやダイアポロンの中身はどこへ行っちゃったのか とか、そんなことは考えるだけムダです。
そして最大の驚愕は、その必殺技、「アポロン・デストロイ」。
ダイアポロンと合身する際には巨大化したタケシですが、今度はダイアポロンごと、極限まで小さく、細くなります。
そして敵の身体の内部に突入し、そのまま一気に巨大化して、敵を内部から破裂させてしまうのです。
秘孔を突く必要のない、銀河の北斗神拳です。
ここまで来るともう、最初からダイアポロン自体が不要部分だったんじゃないか?という気もしますが、もちろん考えるだけムダです。
黎明期のたいていのロボットアニメは、そのインパクトをどこかしら引き継ぐ後番組があるものですが、少なくともダイアポロンの「合身」と「アポロン・デストロイ」に関しては、さすがにどのロボットアニメも受け継ぎませんでした。
・・・と思ったら、映画「マトリックス」で、アポロン・デストロイをやってましたね。
変なところに遺伝子が飛んでるなぁ。
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コメント
ダイアポロンは、前半26話がTBS系火曜夜7時から、後半の‖アクションシリーズ全22話が東京12チャンネル(現・テレビ東京)木曜夜7時台にOAされていました。管理人様が住んでいた地域はTBS系列の局がなく、恐らく他系列夕方のローカルセールス枠でOAされていたのではないでしょうか?また‖の再編集エピソードは前半のみで、後半はTBS版の再放送となりました。最後に時は流れ、日本テレビ系列でOAされたパトレイバーが、テレビ東京系列で再編集版「パトレイバーセレクション」が2001年秋から半年深夜枠でOAされ、歴史は繰り返すと実感したものです。
投稿: ジョバンニ | 2009/08/29 12:25
> 「勇者指令ダグオン」
そう言えば確かに、融合合体はダイアポロンの流れを汲むものでしたね。
ロボットと人間が一体化するという設定は、バトルの作劇としては有効な手法ですから、後継者が出るのは当然かも知れません。
さすがに「不要部分収納」を受けついた番組は、ほとんどありませんが(笑)。
投稿: 腰原仁志 | 2009/07/15 22:34
ダイアポロンの「合身」を別な意味で継承した作品が、ダイアポロン放送20年後の1996年に登場しました。その名は「勇者指令ダグオン」で、ご存知、勇者シリーズ第七作目でダグテクターに変身した人間が、パトカーや、新幹線、ジェット機、サイドカーが変型したロボットと一体化する「融合合体」で、ダイアポロンの最大の矛盾を融合で、見事にクリアした作品でした。(当然ロボット時に受けたダメージも、分離後にもそのまま影響)。そして、恒例のパワーアップ合体「スーパーファイヤーダグオン」は、強大な力の代償に融合相手の体力を著しく消耗する、禁断の超合体で、本編で僅か3回のみの登場でした。
投稿: ジョバンニ | 2009/07/13 13:00
>着陸脚
そーなんですよ。あれとコンテナが外れるのがもうカッコよくて。うちのは一脚だけ少し曲がってたなぁ。
しかしこの4号とか先のバンキッドのミニ戦闘機、超合金大空魔竜のスカイラー等など、一色のミニチュアが当時凄く好きで(今でもだが)大事にしてました。思えば基地ものや空母ものが好きなのはそのせいか?(ふつー逆だ)
投稿: やずみ | 2006/02/24 01:48
> 「サンダーバード2号」なんか羽根が折れてなくなってて、物心ついて映像見るまで羽根はないものだと……(苦笑)。
そう言えばサンダーバード2号、うちにもありましたよコレ。
今の今まで忘れていましたが、着陸脚がちゃんと収納(倒すだけですが)できたり、コンテナの脱着や4号の発進までできる優れものでしたね。
待てよー、ガッチャマンのG-1号とか、ポリマーグランパスもあったような・・・。
投稿: 腰原仁志 | 2006/02/23 22:48
>エーダイグリップ
内容はまるっきり忘れましたが、確かにあのシリーズ出来が良かったですね。フレンダー(やはりドリルだったかも)とか、他にもいくつか持ってました。「サンダーバード2号」なんか羽根が折れてなくなってて、物心ついて映像見るまで羽根はないものだと……(苦笑)。ちょうどヤフオクにありますね。
http://page9.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/k27832126
現物の写真見ると、今見ても出来いいしコレクションにはもってこいのシリーズだったんですねぇ。もったいない。
で、イワモーさんが書かれてる「ダイバロン」ですが、これも同シリーズか何かで出てませんでしたっけ。なんかかなり小さいけどちゃんと分かれてて、二つ買えば合体するやつ持ってた覚えがあるんですが……。ジンクロンの写真は見ましたが、これ一体丸ごとだし。
投稿: やずみ | 2006/02/23 00:07
まとめレスで失礼します。
> しまくま 様
こんにちは、今後ともよろしくお願いいたします。
> やっとわかるロボットがでてきてうれしくなりました。
すいません、いつも分からないロボットばっかり引っ張り出してきて(笑)。
> いつのまにやらなくなって、たぶん捨てられちゃったんでしょうが、
> トラングーの胸のプロテクターだけがいつまでものこってました。
なんか切ない、しかし懐かしい光景が目に見えるようです。
> アメフト風デザインは割と気に入ってたのですが
上半身に集中したボリュームは、結構迫力があって良いですよね。
まぁ、もう少し脚が太くても罰は当たらなかっただろうとは思うんですが。
>バンキッド
> なんか手のひらサイズの合金製の飛行機持ってました。
おお、懐かしい!
バンキッドマザーの友情飛行だ!
> ギミックが凝っててしかもコンパクトで好きだったなぁ。どこかにまだ残骸があるかも。
そういや、エーダイグリップは安い割に出来が素晴らしい、子供のための良いコレクションでしたね。
うちには、キャシャーンのフレンダードリルとか、コンドールマンのバイクとかがありました。
> ダメだ…、好きだ…、ダイアポロン…。
> でも、毎回、苦悶しながら、巨大化するあたり、もはや、何が何だか…。
あれはホントに苦しそうでしたね。
ダイアポロンの内部のメカを押しつぶして(?)巨大化するなら、そりゃ当然かも知れませんが。
> 主題歌は名曲ですね!
> なにしろ、子門真人ボイスに山本正之節なのですから、かっこよくないわけが無い!
「♪アポロン~ (ヘッダー!)」
あたりからの盛り上がりは素晴らしいですね。
ロボットアニメの歌は、こうでなくちゃ。
え?
誰もエンディングの「UFO少年団の歌」の話なんかしませんよ?(笑)
> アポロンデストロイ、練習でも、危険な技…。
> 練習法→とにかく、高いところから、飛び込む、できるまで、激突してろ。
練習法も無茶ですが、それでできるようになるアポロン王家の血筋というのも、相当に無茶です(笑)。
> これに対抗できるのは、ウルトラ一族に伝わる「命をとても粗末にする、教育上じつに好ましくない技」であるウルトラダイナマイトくらいでしょうか。
装甲が固い敵には通用しない可能性があるウルトラダイナマイトに対し、鍛えようがない内部から破壊するアポロンデストロイの方が、暗殺拳にはふさわしいですね(誰もそんな話してないって)。
これで倒せない敵というのは、マックスのバルタン星人か、魔神ブウくらいのものです。
投稿: 腰原仁志 | 2006/02/22 22:24
> 内容は歌のサビと合身シーン以外全く覚えてません。
オモチャとは無関係の返信で恐縮ですが…主題歌は名曲ですね!
なにしろ、子門真人ボイスに山本正之節なのですから、かっこよくないわけが無い!
投稿: ヨモスエ | 2006/02/22 21:34
> ……、きっと、王家は本来、この技で…。
な、なんて恐ろしい一子相伝。
それをたたえる(はず)の臣民も、なんて豪快。
さすがは銀河最強…!
これに対抗できるのは、ウルトラ一族に伝わる「命をとても粗末にする、教育上じつに好ましくない技」であるウルトラダイナマイトくらいでしょうか。
投稿: ヨモスエ | 2006/02/22 20:40
王者の証キイ・エナルジー…。
中学生で、コレを見て、噴きました。
格好良すぎ。
アポロンデストロイ、練習でも、危険な技…。
練習法→とにかく、高いところから、飛び込む、できるまで、激突してろ。
……、きっと、王家は本来、この技で…。
暗殺者を殴り飛ばし、隙ができたら、「アポロン・デストロイ」…、血まみれで、立っている姿を想像して、とっても興奮…。
ダメだ…、好きだ…、ダイアポロン…。
でも、毎回、苦悶しながら、巨大化するあたり、もはや、何が何だか…。
豪快だなあ。
投稿: ぼうとるれ | 2006/02/22 15:08
ダイアポロン、当時結構好きで毎回見てた気がしますが、内容は歌のサビと合身シーン以外全く覚えてません。そうかそんな無茶なことしてたんか……そりゃあそこしか覚えてないわけだ。
アポロンヘッダーとトラングーはなんか持ってた覚えがあります。もしかしたら友達が持ってて借りたかもらったのかもしれないけど。アメフト風デザインは割と気に入ってたのですがまさか後にあれほど高値になろうとは……それが朝マック二個分ですと!? なんとまあうらやまひ……。
>バンキッド
なんか手のひらサイズの合金製の飛行機持ってました。 検索すると……おお、これだこれ。まさかこんなに程度のよいものが現存していようとは。
http://type-98.lix.jp/area_01/colum/goto/olditem/olditem04.htm
ギミックが凝っててしかもコンパクトで好きだったなぁ。どこかにまだ残骸があるかも。
投稿: やずみ | 2006/02/22 02:25
こんにちは、書き込みははじめてですが、サイトには去年からずっと通い続けてます。
これ、うちにもありました!
やっとわかるロボットがでてきてうれしくなりました。
いつのまにやらなくなって、たぶん捨てられちゃったんでしょうが、
トラングーの胸のプロテクターだけがいつまでものこってました。
投稿: しまくま | 2006/02/22 01:20
> ダイアポロンは、子供心にもその合身合体は無茶だろう!と突っ込んだモノですよねぇ。
どう考えても、最初の「不要部分収納」時点でムリムリですもんね。
その後の、痛そうな「合身」に至ってはもう・・・。
> UFO戦士っー所にも無理があったかと。
あの頃、UFOは流行ってましたからね。
その言葉さえだしておけば、何でも食いついてきてくれるだろう、みたいな。
> 初めてコメントをさせてもらいます。
> イワモーと言います。
> よろしくお願いいたします。
こちらこそ、よろしくお願いいたします。(^^)
> ところで、朝マック2回分ですか?
> ありえません^^;。
> この程度の欠品なら問題視しない方もそれなりにいると思うのに。
私も目を疑いました。
0が1個足りないんじゃないか(場合によってはそれ以上)って・・・。
でも、実物を見ていますと、まぁ知らない人が値段を付けたら、こんなもんじゃないのかなぁという気もひしひしと(笑)。
> カモタローさんも書かれている様に
> 『玩具神に愛されし漢』ですね。
> 羨ましいです。
ありがとうございます。
愛されてるのかどうかは分かりませんが、その神様には、かなり貢ぎ物をしましたからねぇ(笑)。
> ちなみに『ダイバロン』の神に愛されたいです^^;。
「男の子なら、正しく強く!」
良いッスね!ダイバロン!
私も一度本物を観てみたいです。
投稿: 腰原仁志 | 2006/02/21 22:00
初めてコメントをさせてもらいます。
イワモーと言います。
よろしくお願いいたします。
ところで、朝マック2回分ですか?
ありえません^^;。
この程度の欠品なら問題視しない方もそれなりにいると思うのに。
カモタローさんも書かれている様に
『玩具神に愛されし漢』ですね。
羨ましいです。
俺も愛してくれないかなぁ。
ちなみに『ダイバロン』の神に愛されたいです^^;。
こういう欲がいけないんですね。
トホホ。
投稿: イワモー | 2006/02/21 01:52
ダイアポロンは、子供心にもその合身合体は無茶だろう!と突っ込んだモノですよねぇ。
UFO戦士っー所にも無理があったかと。
・・・UFOつながりで、バンキッドも凄かったですがね(笑)。
しかし、そのお値段で、「王者の印、キーエナルジー(だったっけ?)」を購入できるとは、ありえねーです\(◎o◎)/!
流石『玩具神に愛されし漢(もしくは神の目を持つ漢)』ですね(笑)。
投稿: カモタロー | 2006/02/20 22:54